研究概要 |
1.無鉛半田合金組成の検討結果 (1)Sn-Ag,Bi,In,Sb,Zn系合金の中で,現在開発研究が盛んに行われているのはSn-AgとSn-Bi系合金を基本組成とした半田材料である.これらの合金に第3元素を添加する事による性質改善が主な研究内容である.その他の合金系はコスト,融解温度,疲労強度,濡れ性,時効特性等の観点から一般材として使用することは難しいと考えられている. (2)北米での開発状況は,昨年の報告で示したNCMSレポートから大きな進展が見られていないようであるが,日本と同様にSn-AgとSn-Bi系合金半田の開発が主流のようである. 2.無鉛半田材のOCC及びOSCプロセスによる連続鋳造結果 (1)昨年に引き続きSn-Bi共晶合金線の連続鋳造を行った結果,安定した条件で一方向凝固共晶組織からなる線材を作製できることが明らかとなった.また,鋳造速度を速くすることにより機械的性質等を向上させることが可能であった. (2)溝ロール圧延加工により直径3mm線材から0.6mm線材の作製を行った結果,室温において一般材では加工時の破断により歩留まりが20%以下と低かったのに対しOCC材は80%以上と高い値を示した.さらに,ロール温度を40℃とした場合では,一般材は40%程度であったがOCC材は100%と高く,全く加工中の破断は起こらなかった. (3)溝ロールによるOCC加工細線は,割れ等の欠陥が無く線径1mm以下においても60%以上の伸びが見られ,十分実用に耐えることが明らかとなった.
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