研究課題
基盤研究(B)
平成11年度の主要な研究目的は、カリアコ地震の災害調査とその分析結果を踏まえて地震災害危険度評価を完成させることと、カラカス市の都市特性および社会特性に関する資料整理と分析評価を行うことである。また、地盤と建物の動的特性の分析と整理を行い、地震災害危険度評価を行って、カラカス市のゾーニングを完了することである。本年度、カラカス市の東西約15km、南北約5kmの堆積層を有する地域において、ほぼ500m間隔で約250地点の微動の移動観測を実施し、ほぼ対象地域全域の微動観測を終了した。この結果に基づいて、地盤の卓越周期分布を明らかにした。この結果と1968年カラカス地震の発生後に調査された同地域の堆積層厚の推定結果を用いて、卓越周期と堆積層厚との関係を求め、地盤の平均S波速度におよび増幅特性を検討中である。また、カラカス市内の2地点と1996年カリアコ地震において被害が発生したカリアコ市,クマナ市内の被災地域各2地点において、微動のアレー観測を行い、地盤構造の推定を行っている。以上の結果から、カラカス市における地盤振動特性に関するゾーニング(地域区分)が、ほぼ可能となり、建物の階数別固有周期の情報から地震災害危険度の評価を完了すべく検討中である。さらにまた、地理情報システム(GIS)を用いて、カラカス市のデジタル地図データを準備し、上記の地盤振動特性の情報や現況分析として人口分布、建物分布その他都市施設の分布情報を整理して地図表現を行うべく作業中である。
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