研究課題/領域番号 |
11694181
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
堀内 孝 東亜大学, 工学部, 教授 (10201758)
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研究分担者 |
太田 裕治 東洋大学, 工学部, 助教授 (50203807)
長澤 幸一 東亜大学, 工学部, 講師 (90289299)
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キーワード | 腹膜透析 / 三次元培養 / 腹膜硬化症 / 腹膜修復 / 画像解析 / 細胞遊走 / 細胞増殖 |
研究概要 |
ラット尾より抽出した酸可溶性コラーゲンを4mg/mlの濃度にてトランスウェルに100μl入れゲル化した後、ラット腹膜繊維芽細胞を1×10^4、2×10^4、1×10^5/mlの細胞密度で懸濁した間質モデルを各々100μl積層した。F12培地で2日間培養後、トランスウェル底部の膜の外側に腹膜中皮細胞を1×10^5/ml播種し、細胞接着が十分であると判断できるまで培養した。積層化した腹膜モデルはM199培地で3週間培養し、その形態的変化を観察している。コラーゲンに包埋された繊維芽細胞は2×10^4/mlの細胞密度以上ではFCS未添加においても細胞の伸展がみられたが、それ以下では形態の変化は僅かであった。トランスウェル上において、本条件下ではコラーゲンの収縮は観察されなかった。間質モデルに隣接する膜上の腹膜中皮細胞は播種後3週間以内では玉石状の形状を保つことができるようになった。現在、滲出性のマクロファージを用いて経マトリックスの遊走実験を行っている。 試作した3次元積層培養モデルを用い、腹膜中皮細胞傷害や腹膜線維芽細胞傷害時の修復過程をIn vitro系で再現することを目的に、中皮細胞層の剥離モデル(平成11年度成果)を連続的な顕微鏡下ビデオ撮影を行うとともに、A/D変換、画像情報保存、編集を施行する技術を確立している。傷害モデルは1N水酸化ナトリウムの滴下によるdenudationであるが、最も著明であった修復経路は残存部位からの遊走であり、増殖は遊走にて中皮細胞が移動した間隙を中心に、denudationがほぼ完了した時期より活発化するようである。現在、画像解析と免疫染色により定量・定性両面から研究を進めており来年度の重点課題である。
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