研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は磁場閉じ込め核融合実験装置用電子サイクロトロン加熱システムでのミリ波大電力の高効率伝送系及びプラズマ閉じ込め装置に最適化された入射系の開発である。本年度は核融合科学研究所(NIFS)のLHD装置及びシュツトガルト大学プラズマ研究所(IPF)の協力のもとマックスプランクプラズマ物理研究所(IPP)のW7-AS、W7-X、ASDEX装置での大電力長パルスミリ波伝送とプラズマ入射実験の結果を比較検討による議論を行った。双方からの相手方研究所訪問時、電子サイクロトロン加熱システムが運転中であり、実験への参加によりシステム稼動時の動作特性が確認され、詳細な理解が可能となった。検討した主な課題はアーキング対策、不要モードの処理、定常化での熱処理、入射アンテナ駆動方式、電力モニターなどである。検討の結果、ASDEXで使用されているIPF開発の電力モニター、IPP開発のアーク検出器をアーキング対策研究の一環としてNIFSのLHD用として改善し、NIFSにテストスタンドにて試験することに決め、改良試作を完了した。一方、NIFSで採用している超音波モータ方式と油圧プーリ・ワイヤー組み合わせ方式の2つの入射アンテナ駆動を検討し、IPPでのASDEX用に後者の方式の改良を進めることになった。これらのNIFS/IPF/IPPの協力にて次年度は試作開発改良部品の実機環境での試験を行える。更に、NIFSが発表したジャイロトロン管からの出力とコルゲート導波管の結合研究の結果を理論的観点から追認した。また、低密度プラズマでの電子サイクロトロン波低磁場側入射によるプラズマ電流駆動をASDEX、LHD双方の装置パラメーターでの数値計算検討を行った。
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