研究課題/領域番号 |
11694189
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島崎 敬一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10091547)
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研究分担者 |
中村 信吾 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50003570)
玖村 朗人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00241365)
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キーワード | ラクトペルオキシダーゼ / ヘム結合 / 組換え体 / 抗菌活性 / ミルクタンパク質 |
研究概要 |
牛乳に含まれる酸化還元酵素・ラクトペルオキシダーゼの示す抗菌・抗ウイルス活性スペクトルを操作出来るならば、医薬品や食品へ応用する際に非常な利点となると考えられる。そこで組換えラクトペルオキシダーゼを調製し、牛乳由来のラクトペルオキシダーゼと比較することで、活性に寄与する高次構造、およびヘム近傍の微細構造についての詳細な情報を得ることを目的として以下の実験を行った。 1.ラクトペルオキシダーゼの検出に用いる目的で、ラクトペルオキシダーゼに対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を作成した。モノクローナル抗体については、ラクトペルオキシダーゼ分子内のエピトープ部位も決定した。 2.ウシ乳腺細胞からラクトペルオキシダーゼ遺伝子をクローニングし、CHO細胞を用いて組換え体を発現させさらにイオン交換クロマトグラフィーにて精製した。発現した組換え体の確認は、抗ラクトペルオキシダーゼ抗体および活性測定にて行った。 3.円偏光二色性スペクトルの測定により、牛乳ラクトペルオキシダーゼと高次構造が同じであることを確かめた。一方、牛乳ラクトペルオキシダーゼのN-末端アミノ酸部分は組換え体に比べて15〜20残基短いことが見いだされ、ミルク中に分泌される際の機構に新たな疑問を投げかけた。 4.牛乳から分離したラクトペルオキシダーゼをペプシン分解した後、ヘム結合フラグメントを逆相クロマトグラフィーにより分離することに成功した。現在、そのフラグメントのアミノ酸配列を決定中であり、ヘムとの結合様式を推定する手掛かりとなるものと期待される。
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