研究課題/領域番号 |
11694192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00169608)
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研究分担者 |
小柴 共一 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80117704)
野村 港二 筑波大学, 農林学系, 助教授 (00183905)
佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70196236)
川上 直人 明治大学, 農学部, 講師 (10211179)
福田 裕穂 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10165293)
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キーワード | 高等植物 / ゲノム情報 / 遺伝子発現制御 / 植物ホルモン / 胚発生 / 花芽形成 / 維管束形成 / 生物時計 |
研究概要 |
シロイヌナズナとイネで蓄積されつつあるゲノム情報を活用し、日仏共同で形態形成を中心に植物の各種生理反応の分子機構解析を行った。植物ホルモンの一種であるアブシジン酸(ABA)の生合成の最終反応を触媒する酵素遺伝子の単離に成功し、その特性を明らかにした。また、胚特異的なABA情報伝達因子であるABI3/VP1のニンジンホモローグ(C-ABI3)を単離し、その発現解析を行うと同時に、培養細胞で異所的に過剰発現させることで、ABA処理によって乾燥耐性を誘導できることを明らかにした。さらに、シロイヌナズナのT-DNAタグライン10000系統をスクーニングし、ABA感受性は示すが、種子休眠性が低下している変異体を2系統選抜することに成功した。一方、シロイヌナズナで単離された胚の形態形成制御遺伝子であるLeclのニンジンホモローグ(C-Lec1)を単離し、ニンジンの種子胚および不定胚における発現特性を解析し、本因子がニンジンにおいても胚発生の中期過程を制御する胚特異的な転写制御因子として機能する可能性を示した。維管束における主要な構成細胞である環状要素の分化については、ファージディスプレイ法によって単離したCN8抗体を用いることで、細胞壁成分の極性が存在することを明らかにするとともに、2次細胞壁合成直前に多量に蓄積するブラシノステロイドが環状要素の分化を誘導することを明らかにした。一方、花芽形成については、典型的な短日植物であるアサガオ品種紫から単離された光周的花成誘導に関連する時計制御遺伝子を短日植物であるタバコ品種メリーランドマンモスに導入して過剰発現させたところ、長日条件下でも早期に花芽が形成されることが明らかとなり、この遺伝子が光周的花成誘導おいて重要な役割を果たすことが明らかとなった。また、ペプチド性植物増殖因子PSKについても、PSKが影響を及ぼす細胞分裂制御因子の候補が決まりつつある。
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