研究分担者 |
鳥井 清司 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40026563)
加賀爪 優 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20101248)
柴崎 亮介 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (70206126)
季 増民 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (20278237)
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研究概要 |
本年度は、本研究の最終年度である。過去2ヵ年間の研究成果として得られた都市拡大のモデルの妥当性を先ず検証することが、本年度の目的の一つである。そこで、内陸部に立地する成都を本モデルの適用対象都市に取り上げた。そのための現地調査およびデータ収集を行った。 成都に適用した結果、本モデルの適合性は高かった。本モデルは、都市拡大に関するゾーニングの影響も組み込んでいるが、都市ごとにゾーニングの内容が異なるので、それに関するパラメータの決定に創意工夫が必要であることが本モデルの難点である。この点の改良は今後の課題である。 さらに、やや広域な地域レベルでの土地利用長期変化のメカニズムを解明することが、本年度の第二の目的である。揚子江下流域(江蘇省南部)の土地利用変化を1980, 1985, 1990, 1995の4ヵ年のリモートセンシングデータを用いて把握した。他方,AHPを用いてこの変化を引き起こす誘引を探り、これより得られた要因を用いてモデルを構築した。人口成長率、経済成長率、道路への近接性が土地利用変化を引き起こす大きな要因であることが明らかにされた。 土地利用変化モデルを用いて、揚子江下流域(江蘇省南部)における2020年時点での土地利用の状況を予測し、農地面積の減少量を推定した。予測に際しては、高経済成長、均衡ある経済成長、高人口増加、道路建設促進の四つの各シナリオについて行った。1995年時点と比較したとき、2020年時点における農地面積は、それぞれ、15.4、11.1、14.6、14.1万ヘクタール減少することが予測された。
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