研究概要 |
(1)同調したタバコBY2培養細胞を用いた実験により、S期特異的にテロメラーゼ括性が促進されること、この活性促進がオーキシン依存的に起こることを明らかにした。次に、アラビドプシス及びイネよりテロメラーゼの触媒蛋白質の遺伝子(AtTERT、 OsTERT)のcDNAをクローン化し、塩基配列の決定、器官特異的な発現の確認を行った。(2)植物細胞の核抽出液よりテロメラーゼ活性の調節に関わっていると考えられるテロメアーゼ活性阻害蛋白質を同定した.(3)シロイヌナズナよりテロメアを含む染色体末端の維持、修復に関わるKu70とKu80ホモログ(AtKu70とAtKu80)をコードするcDNAsを単離し、の塩基配列を決定した.これらのタンパク質は、特異的にヘテロ二量体を形成して二本鎖DNA末端に特異的に結合することを明らかにした.また、一本鎖DNA-依存性のATPase活性とATP-依存性のDNAヘリカーゼの活性を持つことを示した.さらに、BleomycinやMMS処理、すなわち二重鎖切断(DSB)の生成によって発現誘導されることを明らかにした.(4)シロイヌナズナ、タバコにおける核コードプラスチドシグマ因子様遺伝子(sig遺伝子群)の構造解析と機能の解析を行い、新規遺伝子sigD, sigE, sigFを含めて計6個の遺伝子の存在を明らかにした.uid及びGFP遺伝子との融合遺伝子形質転換体の作成と解析を進めた.また、SIG2(sigB)遺伝子のT-DNA挿入変異体(Sjg2-1)について解析を行った結果、葉緑体の発達に欠損を認めた.クロロフィル(テトラピロール)の生合成に不可欠なtrnE-UUCを含むいくつかのプラスチドtRNAsが著しく減少していた.
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