研究課題/領域番号 |
11694197
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
|
研究機関 | 京都大学 (2000) 東京大学 (1999) |
研究代表者 |
永田 俊 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183892)
|
研究分担者 |
鈴木 聡 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
田上 英一郎 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (50133129)
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | 細菌 / 海洋 / 溶存有機物 / ペプチドグリカン / ポリマー / 細胞外加水分解酵素 / 放射トレーサー法 / 北部北太平洋 |
研究概要 |
1.海洋に蓄積している有機ポリマーである細菌細胞壁主成分(ペプチドグリカン)の分離、精製、定量法を検討した。 2.海洋細菌を用いてペプチドグリカンの放射標識標品を調製する方法を検討した。 3.上記の検討に基づき、海洋における高分子有機ポリマーの循環速度を高感度に測定するアッセイ法を新規構築することに成功した。 4.沿岸、外洋海域における培養実験を行い、高分子有機ポリマーの分解速度と、分解過程を詳細に解析した。その結果、海洋環境における複合ポリマーの加水分解と取り込みが脱共役していることを明らかにした。 5.有機ポリマーおよび溶存有機物の分解に関わる微生物量と活性の広域分布データ(北部北太平洋)の解析から、高分子分解活性の鉛直プロファイルに顕著な東西差が存在することをはじめて明らかにした。その要因の解析から、たんぱく質加水分解酵素の活性触媒である亜鉛の供給量が、有機ポリマー分解の地理的パターンの決定要因のひとつであるという新しい仮説を提案した。 6.太平洋の広範な海域における細菌活性の分布データから、海洋中深層では、沈降有機粒子から溶出する溶存有機物を細菌が消費する経路を通しての有機物酸化が、炭素フラックスの中で大きな役割を果たしていることを示唆した。この知見は、海洋の有機物循環をモデル化するうえできわめて重要である。 7.有機ポリマーを含む、溶存有機物の生成過程をモデル化し、細菌群集およびその捕食者(特に原生生物)を介在する有機物の変質過程が、海水中での有機ポリマー蓄積に重要な役割を果たしていることを示した。
|