研究課題/領域番号 |
11694202
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 明 京都大学, 農学研究科, 教授 (00026379)
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研究分担者 |
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
山下 研介 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041035)
岩堀 修一 筑波大学, 第二学群生物資源学類, 教授 (00012055)
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 教授 (60135548)
宇都宮 直樹 近畿大学, 農学部, 教授 (60026622)
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キーワード | 花成誘導 / オフシーズン生産 / 結実機能 / 光合成速度 / 不和合性 / 自家受粉 / 他家受粉 |
研究概要 |
1)昨年に引き続き、ドリアン、ランブータン、マンゴスチン、及びマンゴーについて、タイ及びインドネシアにおいて気象条件、とくに雨季/乾季の交代期と花成誘導との関係を調査するとともに、オフシーズン生産のための人為的処理の効果について実地調査を行った。タイ東部のマンゴー園ではパクロブトラゾール処理によって連年安定的にオフシーズン(12〜1月)生産に成功している。いっぽう、インドネシアのランブータン園では環状剥皮により花成誘導を行ってオフシーズン生産に成功している。なお、花成誘導後の生長促進のためにタイではチオ尿素を、インドネシアでは硝酸カリを用いているが、同様の効果が認められている。 2)結実機能に関してインドネシア及びタイにおいてマンゴスチン、ドリアン及びマンゴー等について光合成速度の測定を行うとともに、光合成産物の分配に関する処理実験を行った。マンゴスチンはドリアン及びマンゴーと比較して明らかに光合成速度が低かったが、光合成の飽和点を明確にすることはできなかった。また、生長速度が大きく異なる実生樹と接木樹間でも光合成には明確な差異はなかった。 3)花器構造と受粉・受精に関して、マンゴスチンについて開花期前後の胚珠組織の形態変化を調査し、開花期に胚のう内で細胞分裂が起こり、受精可能な状態に達するが、開花直後には仮種皮が発達し、胚のうが退化することを認めた。成熟種子について組織観察を行った結果では、単純な胚軸様形態を示す塊状胚軸がみられ、これが発芽する段階になって分化して多胚性を示すのではないかと推察された。 4)不和合性に関しては、ドリアンについて自家受粉及び他家受粉を行い、受粉後5日まで経時的に花を採取して固定して持ち帰り、目下、受精の有無を組織学的に調査中である。
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