研究課題/領域番号 |
11694202
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 明 京都大学, 農学研究科, 教授 (00026379)
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研究分担者 |
久保田 尚浩 岡山大学, 農学部, 教授 (70033272)
山下 研介 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041035)
岩堀 修一 筑波大学, 第二学群生物資源学類, 教授 (00012055)
片岡 郁雄 香川大学, 農学部, 教授 (60135548)
宇都宮 直樹 近畿大学, 農学部, 教授 (60026622)
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キーワード | 花成誘導の周期性 / 花器構造 / 自家不和合性 / アポミクシス / 同化産物の分配 / 結実機能 |
研究概要 |
熱帯果樹の生殖機構の適応戦略を明らかにするため、以下の4事項について調査研究を行った。 (1)花成誘導の周期性について、マレーシア地区を中心に主要熱帯果樹の花成誘導と環境要因との関係を調査し、タイで認められた降雨量と季節性熱帯果樹の生長周期の関係が確かめられた。ただ、タイで行われているオフシーズンでの収穫のための栽培体系は確立されていなかった。 (2)花器構造と受粉・受精機構について、ドリアンについて調査し、その花芽が枝梢より出現した後・花器の各器官が発達するまでに約2ヶ月を要することがわかった。開花は午後4時頃からおこり、約2時間かけて花弁が開き終わった。開花途中の時点では開葯おこらず、開葯は花が完全に開いた午後6時頃に起こった。また、雌蕊は雄蕊よりもかなり長く、自家受粉が出来にくい構造になっていた。 (3)不和合性について、ドリアンで不和合性組合せ受粉について花粉管の挙動を調査した。花粉管自体は不和合性組合せでも受粉24時間後には花柱基部まで正常に伸長していた。ただ、結実率はかなり悪く、受精段階に問題があることがわかった。また、アポミクシスについてランサの種子を調査し、1つの種子が2から8のセグメントからなり、それぞれが発芽能力を持っていることがわかった。 (4)結実機能に関して、マンゴスチンとドリアンについて果実と枝葉間での同化産物の分配特性を^<13>CO_2の施与試験によって調査した。光合成産物はマンゴスチンでは同化後24時間で速やかに果実へ分配され、とくにガク片と種子への分配が多く、これらの器官が強いシンク力となっていた。一方、ドリアンでは着生する花あるいは果実への分配はマンゴスチンと比べるとやや速度が遅く、48時間後になって検出出来るようになった。また、果実では果肉部に多くの^<13>C標識光合成産物が集積していた。 なお、本年度は海外共同研究者を全員招へいしてセミナーを開催した。
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