研究概要 |
天然から選抜したダイオキシン分解能を有する菌の細胞融合を行うとともに、選抜したダイオキシン分解菌を用いて5種のダイオキシン類の分解能を調べた。また、選抜した菌を用いた土壌中のダイオキシン類(2種)のバイオレメデイエーションによる分解を試みた。 1 選抜した菌の細胞融合による分解能の高い融合菌の作出 天然から選抜した4種のダイオキシン分解菌を用いて、電気融合法により細胞融合を行った。電気融合法により、2種の分解菌から4種の融合菌を得た。この方法は、化学試薬(PEG)を用いる化学融合法よりも融合率は数倍高かったが、種々の融合条件を設定する必要があった。4種の融合菌のアイソザイム分析により、両親株からの融合菌であると考えられた。これらの融合菌は色素培地を脱色した。その速度は両親株のそれらとほぼ同等で、高いダイオキシン分解能を持つと考えられたが、ダイオキシン分解能については検討中である。 2 選抜した菌の5種のダイオキシン類の分解 選抜したダイオキシン分解菌は、30日間の培養で2,7-DCDDを約80〜90%,2,8-DCDDを約80%,2,4,8-TCDFを約60〜70%,2,3,7,8-TCDDを約40〜65%,2,3,4,7,8-PCDFを約40〜60%分解できた。 3 選抜した菌を用いたバイオレメデイエーションによる土壌中のダイオキシン類の分解 選抜したダイオキシン分解菌を用いた土壌中のダイオキシン類(2,7-DCDD,2,4,8-TCDF)のバイオレメデイエーションにより、2,7-DCDDの場合は1ヶ月の処理でその約65%が、2,4,8-TCDFの場合は約60%が分解できることが分かった。この結果は、このバイオレメデイエーションにより汚染土壌中のダイオキシン類が分解,浄化できることを示している。
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