線虫C.elegansの温度走性に関与する遺伝子ttx-1は、その変異p767により好冷性の温度走性の異常をひき起こす。このttx-1(p767)変異は第5染色体(LGV)と関連しており、STSマッピングにより、sTP105より右側にマップされていた。その後、unc-51及びrol-9変異との3点交雑を行い、ttx-1はこの2つの遺伝子の間約0.8muにマップされた。この領域には野生型のゲノムクローンとしてYAC5種類と20種類余りのコスミドが存在する。この中でYACをもつ酵母の全DNA5種類及び11種類のコスミドDNAをgcy-8::gfpEをもつttx-1変異体に導入した形質転換ラインをそれぞれ少なくとも1株以上得た。これらについてgcy-8::gfpの発現によりAFDニューロンの形態異常の回復(rescue)を調べたが、現在まだ回復したものは見つかっていない。これらのDNA及びその他約10種類のコスミドDNAを用いて、更に多くの形質転換ラインを分離し、ttx-1遺伝子の同定(クローン化)を行う。
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