研究課題/領域番号 |
11694225
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高橋 健治 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70011533)
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研究分担者 |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
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キーワード | フィラリア / マレー糸状虫 / アスパラギン酸プロテアーゼ / cDNA / 異宿主発現 / 組織内分布 / 抗体染色 / 線虫 |
研究概要 |
ヒト寄生性フィラリアの各種プロテアーゼの性状と機能を解明し、フィラリア制圧薬の開発に寄与することを目的とする本研究の一環として、マレー糸状虫(Brugia malayi)のアスパラギン酸プロテアーゼについて研究を進めた。すでに得た、2種の完全長cDNAについて塩基配列決定を完了し、2種のアスパラギン酸プロテアーゼ(BmAsp-1および2)の全一次構造を推定した。BmAsp-1は393残基、BmAsp-2は452残基のプレプロ体として生合成され、アミノ酸配列の同一性は22%であった。また、他のアスパラギン酸プロテアーゼを含む分子系統樹解析から、両者はまったく異なる二つのグループにそれぞれ属することが推定された。両者のプロ体を大腸菌で発現されることを試み、20mg/lの収量で発現することができたが、いずれも封入体を形成し、これからリフォールディングを試みたが、活性の発現はまだ微弱であり、純粋な活性分子種の大量調製には成功しなかった。さらに今後の検討が必要である。一方、両酵素について、抗体を調製した。これらの抗体は酵素間で交叉反応を示さず、両酵素の組織内分布の検索に有効であった。この結果、BmAsp-1は腸と食道に局在し、BmAsp-2は腸、食道のほか、体壁、生殖器等にも広く分布することが判明した。これから、BmAsp-1は主に消化による栄養物の摂取に関与し、BmAsp-2は細胞内におけるタンパク分解やプロセシングに関与することが推定された。なお、上記の研究と並行して、他のプロテアーゼ類のcDNAクローニングと発現の実験、および比較の目的で線虫(C.elegans)のプロテアーゼに関する同様な研究を進めた。
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