• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

脊椎動物の体節形成の分子機構に関する発生遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11694227
研究種目

基盤研究(A)

研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

相賀 裕美子  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (50221271)

研究分担者 北嶋 聡  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 研究員 (30270622)
高木 篤也  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究員 (00179417)
キーワード体節形成 / Mesp2ノックアウトマウス / プレセニリン / 分節化 / 上皮化 / パラキシス
研究概要

脊椎動物の分節性の基盤は、発生過程で形成される体節に由来する。近年我々が独自に得た遺伝子Mesp2は分節直前の中胚葉に特異的に発現し、体節の分節化に深く関与することがノックアウト(KO)マウスの結果から得られている。その分節化の分子機構を解明するため、同様に体節形成に異常をきたす3種類の遺伝子(Dll1,Dll3,Paraxis)欠損マウスを海外より、またPresenilin-1(PS-1)KOマウスを国内の共同研究者より入手し、Mesp2KOマウスとの交配を開始した。国内から入手したPresenilin-KOマウスとの交配は順調に進み非常に興味深い結果が得られた。PS-1KOマウスは、分節が起こらない点では、Mesp2KOマウスと類似した表現形を示すが、その前後極性に関して、後方化を示すMesp2KOマウスとは対照的な前方化の表現形をしめす。Mesp2KOマウスでは、Notch1の発現が減少しており、その下流にNotchシグナル系が働くことが示唆されていたが、Notchシグナル系に直接関与すると考えられるPS-1のKOマウスが全く逆の形質を示すのは驚きであり、さらに遺伝学的解析の必要性を示唆していた。そこでMesp2及びPS-1のダブルKOマウスを作成し解析した。その結果、ダブルKOマウスはMesp2と全く同様の形質を示すことが判明した。現在この分子機構の解析をおこなっている。一方、分節化には直接異常を示さないが体節の上皮化に異常をしめすParaxis欠損マウスとMesp2KOマウスを交配すると、それぞれの単独の欠損マウスにみられた表現型から想定できない。重篤な欠損が観察された。脊椎骨の形成が著しく低下し骨形成自体に欠損をしめした。この結果はこれらの遺伝子が、それぞれのカスケード間で相互作用していることを示唆しており、今後遺伝子発現レベルの解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yumiko Saga: "MesP1 is expressed in the heart precursor cells and required for the formation of a single heart tube"Development. 126. 3437-3447 (1999)

  • [文献書誌] Atsushii Sawada: "Zebrafish Mesp family genes,mesp-a and mesp-b are segmentally expressed in the presomitic mesoderm, and Mesp-b confers the anterior identity to the developing somites"Development. (2000)

  • [文献書誌] 相賀裕美子: "Notchシグナル系の多様性"細胞工学. 18. 1284-1289 (1999)

  • [文献書誌] 高橋雄: "分節化におけるNotchシグナリング:ノックアウトマウスの解析から"細胞工学. 18. 1334-1339 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi