研究概要 |
本研究の目的は,臨床患者材料と分子生物学的および細胞免疫学的手法を用いてヒトの炎症性腸疾患における内因性抗菌ペプチドの発現量および異常の有無について検索し,これを明らかにすることである。また,これらの物質は生体内に既に存在する物質であることから臨床応用が比較的安全であると考えられ,ヒトの治療薬としての応用の可能性について明らかにすることである。平成11年度は,研究手法および材料についての情報交換のため,蘆田知史および斎藤浩之が,平成11年9月6日-平成11年9月12日の期間,カリフォルニア大学医学部へ出向し,NRAMPおよびIL-18Rについての研究成果を報告すると共に,マウス小腸よりlive cryptを分離する方法について指導を受けた。また,高後 裕,藤本佳範,本村 亘(研究協力者)平成11年9月6日-平成11年9月12日の期間,カリフォルニア大学医学部へ出向し,syndecan,PR-39についての研究成果を報告すると共に,ヒトpaneth cell defensin抗体の作成について研究打ち合わせを行った。平成12年1月21日-平成12年1月26日の期間,アンドレ ウオレット教授が旭川医科大学を訪問し,内因性抗菌ペプチド全般について指導を行うと共に,paneth cell defensinの前駆ペプチドからの生体内での活性発現機構の解明,炎症性腸疾患患者小腸および肛門病変部におけるdefensinの発現解析について研究打ち合わせを行った。現在,ヒトpaneth cell defensin抗体の作成,mRNAレベルでの炎症性腸疾患患者小腸および肛門病変部におけるdefensinの発現の解析が進行中である。
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