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2000 年度 実績報告書

ストレス反応伝達系としての脳内ノルアドレナリン神経路の意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11694232
研究機関東北大学

研究代表者

井樋 慶一  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60232427)

キーワードストレス / ノルアドレナリン / CRH / ACTH / 副腎皮質ホルモン / 脳内神経路 / 遺伝子 / ラット
研究概要

ストレスから生体を防御し恒常性を保つためには、視床下部-下垂体-副腎(HPA)系が不可欠であり、その中心的役割を担っているのはCRHニューロンである。CRHニューロンにはバゾプレッシン(AVP)が共存し、CRHとともにHPA系調節に与っている。我々は無麻酔ラットPVN内に神経伝達物質ノルアドレナリン(NA)を注入後、CRHおよびAVPの一次転写産物をin situハイブリッド形成により半定量した。NAはCRH転写を速やかに刺激することが明らかとなった。その立ち上がりは極めて迅速であり、新たな転写因子の合成を伴わないプロセス(例えば転写因子のリン酸化による活性化など)が想定された。AVP転写に関しては、大細胞、小細胞いずれの領域においてもNAによる有意の刺激効果が認められなかった。大量のデキサメサゾン前投与により、ラット遊泳ストレスによるCRH遺伝子転写が抑制された。両側副腎摘出ラットに低用量コルチコステロンを補充し、PVN内NA注入後、CRHおよびAVP遺伝子転写レベルをsham群と比較した結果、生理量のコルチコステロンはCRH遺伝子よりもAVP遺伝子転写を強く抑制することが明らかとなった。従って、糖質コルチコイドの用量によってCRH遺伝子転写に及ぼす影響が大きく異なることが明らかとなった。また、CRH産生ヒト神経芽腫BE(2)-M17細胞系において、TPAによりCRH mRNA発現が増加したことから、CRH遺伝子発現におけるCカイネース系の関与が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Itoi K,Helmreich DL,Lopez-Figueroa MO,Watson SJ: "Differential regulation of corticotropin-releasing hormone and vasopressin gene transcription in the hypothalamus by norepinephrine"J.Neurosci. 19. 5464-5472 (1999)

  • [文献書誌] 井樋慶一: "生体のストレスは脳内でいかに処理されるか視床下部CRHニューロン調節のメカニズム"化学と生物. 37. 718-726 (1999)

  • [文献書誌] Helmreich DL,Itoi K,Lopez-Figueroa MO,Akil H,Watson SJ: "Norepinephrine-induced CRH and AVP gene transcription within the hypothalamus : differential regulation by corticosterone"Mol.Brain Res.. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 井樋慶一: "脳内ノルエピネフリン系による視床下部CRHおよびバゾプレッシン遺伝子転写調節機構"東北医学雑誌. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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