研究課題/領域番号 |
11694234
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究所, 教授 (50192787)
|
研究分担者 |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
岩田 錬 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60143038)
|
キーワード | PET / carbon-11(C^<11>) / fluorine-18(F^<18>) / histamine / 脳賦活試験 / H_2O^<15> / 眠気 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
1.ポジトロン標識化合物の開発。 ^<11>C-ヨウ化メチルと同様に汎用性のあるポジトロン標識前駆体である^<18>F-標識ヨウ化フルオロベンジル反応を確立した。標識合成の迅速で効率的な^<18>F-標識フルオロベンジルイミダゾイルプロピルエーテル(^<18>F-FUB193、^<18>F-fluoropropoxyfan)の反応条件を確立し、結合実験よりその特異性を調べた。また^<11>C-ヨウ化メチルを合成する方法として、新しくガス相法を確立して臨床用の標識薬剤合成に応用した。 2.3次元PETカメラを用いたヒト脳の神経伝達量測定法の開発と疾患への応用。 ヒト脳内神経受容体の非侵襲的定量化法の確立を行った。PETによる受容体測定の時に今までは動脈血採血を行って定量してきたが、無採血非侵襲的定量法を考案して速度定数や結合パラメーターの算出をおこなった。この方法の臨床応用としてアルツハイマ-型痴呆患者においてヒスタミンH1受容体量を測定し、アルツハイマー病の認知機能低下に伴ってH1受容体が減少することが分かった。 3.脳賦活試験法による高次脳機能の研究。 (1)脳賦活法を用いたヒスタミン神経系の研究。本研究は、まず(1)[^<11>C]ドキセピンを用いてH1受容体占拠率を測定し、眠気発生や認知能力低下にどれだけのH1受容体占拠が必要か明らかにすることを試みた。さらに(2)H_2^<15>Oと3D-PETを用いて視覚認知課題遂行時の脳機能イメージングを行い、抗ヒスタミン薬投与による眠気や認知機能低下の発生メカニズムを明らかにした。(3)最近リガンド賦活法によるヒト脳における神経伝達物質遊離測定の開発をおこなった。我々は、[^<11>C]ドキセピンを用いたヒスタミンH1受容体測定法を用いて、2回PET検査をすることによりヒトの脳内においてヒスタミン遊離が測定できることが分かった。
|