研究課題/領域番号 |
11694241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
高浜 洋介 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)
渋谷 和子 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00302406)
渋谷 彰 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80216027)
田原 聡子 日本学術振興会, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | NK細胞 / 活性化レセプター / 活性化抑制性レセプター / LFA-1 / DNAM-1 / 接着分子 / FC受容体 / NKT細胞 |
研究概要 |
1.結核菌をはじめとするMycobacteriumは肉芽腫を形成することが知られているが、その機構は不明である。パスツール研究所のG.Gachelin博士のグループとの共同研究でMycobacteriumによって誘導される肉芽腫の形成過程を詳細に解析した結果、肉芽腫形成の初期にNKT細胞まず局所に集まることが明らかとなった。NKT細胞を欠くJα281ノックアウトマウスでは肉芽腫の形成が著明に減少することなどから、肉芽腫の形成にはNKT細胞が重要な役割を持つことを明らかにした。 2.米国のDNAX研究所のL.Lanier博士らとの共同研究で、最近新しくクローニングされた接着分子であるDNAM-1がLFA-1からの信号伝達に重要な役割を持つことを明らかにした。リンパ球上においてT細胞受容体からの信号はLFA-1分子にinside-outのシグナルを与え、リガンドとの結合性が上昇すると同時にDNAM-1と会合する。LFA-1分子がリガンドと結合するとsrcファミリーのチロシンキナーゼであるFynが結合することによりDNAM-1に燐酸化が起こり細胞内に信号が伝達されることを明らかにすることができた。 3.Lewis Lanierらのグループとの共同研究で、長い間明らかにされていなかったIgM、IgAに対するFc受容体(Fcμ/αR)遺伝子をクローニングし、その構造を明らかにすることができた。B細胞のFcμ/αRは黄色ブドウ球菌と結合したIgMを取り込むことから、病原微生物に対する初期の生体防御機構として重要な役割を持っていることが示唆された。 4.T細胞の分化におけるNotchシグナルの役割を明らかにするため、Notch-の下流にあるHes-1遺伝子をレトロウイルスペクターで造血前駆細胞に導入した後、導入細胞を胎児胸腺器官培養に持ち込み、T細胞の分化に与える影響を観察した。予想に反してHes-1の強制発現はCD4、CD8への分化の方向性に影響を与えず、未分化T細胞の増殖をうながす作用を示すのみであった。CD4、CD8T細胞への分化のコミットメントにはNotch下流にあるHes-1以外の分子が関与していることが推察された。 5.NK細胞、マクロファージに発現されている新規の受容体MAIR-1遺伝子をクローニングした。本分子は新規の抑制性受容体である可能性が考えられ、NK細胞の抗原認識機構の研究に新たな展開をもたらすことが期待される。
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