研究課題/領域番号 |
11694244
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 千葉大学, 医学部, 教授 (70009116)
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研究分担者 |
井出 吉信 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20103377)
小宮山 政敏 千葉大学, 医学部, 助手 (70175339)
阿部 伸一 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40256300)
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キーワード | 筋原線維 / ネブリン / コネクチン / 骨格筋 / アクチン / ダイナミクス |
研究概要 |
形成過程の筋原線維における筋蛋白質の動態とそれに対する細胞骨格の役割を調べた。培養胚骨格筋細胞に蛍光色素(ローダミン)で標識したアクチンをマイクロインジェクションし、4〜8時間後にネブリンおよびコネクチンに対する抗体で染色した。またローダミン標識を取り込んだ細胞内構造をレーザ光でフォトブリーチし、蛍光の回復(FR)と細胞骨格の発達との関連を調べた。注入したアクチンは、ネブリンおよびコネクチンによる細胞骨格構造の存在する部位に取り込まれた。筋原線維が成熟するにつれ、アクチン、ネブリン、コネクチンはそれぞれ特有の横紋構造を形成した。注入したアクチンの横紋構造の形成過程は、ネブリンとは同調していたが、コネクチンはアクチンおよびネブリンより常に早く横紋を形成し、同調していなかった。またアクチンのFRはネブリンの発育パターンと密接な関係を持っていた。以上の結果より、幼若な筋原線維へのアクチン分子の取り込みや交換に、ネブリンは重要な役割を果たしていることが考えられ、コネクチンにはそのような働きはないことが想像された。次に抗ネブリンおよび抗コネクチン抗体をあらかじめ注入しておいた培養心筋細胞にローダミン・アクチンを注入することを行った。ネブリンの活性を押さえた細胞ではアクチンの筋原線維への取り込みは見られなかったが、コネクチンの場合には取り込みが見られ、上記の結論の正しいことが証明された。
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