研究課題/領域番号 |
11694251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010082)
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研究分担者 |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00260480)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | ハーダー腺 / ゴールデンハムスター / 脂肪酸合成 / アンドロジェン / 核内受容体 / アシルCoA脱水素酵素 |
研究概要 |
眼窩内にあって脂質を開口分泌しているハーダー腺は300年以上も前の1694年にスイスの解剖学者であるHarderによって報告されたことに始まるが、20世紀になってその多彩な生理機能から再び実験モデルとして注目されるようになった。その一つの特徴組織学的にも生化学的にも雌雄差が見られることである。我々は脂肪酸の雌雄差に着目して研究を進めたところ短鎖分枝鎖アシルCoA脱水素酵素とイソバレリルCoA脱水素酵素という二つの酵素タンパク質の発現がアンドロジェン受容体を介して調節されていることを明らかにした。雄ではこれらの酵素が発現し、分枝鎖アミノ酸からアセチルCoAとプロピオニルCoAがつくられ、偶数鎖及び奇数鎖脂肪酸が合成される。雌ではこれらの酵素が発現せず、中間代謝産物のイソブチリルCoA、2-メチルブチリルCoA、イソバレリルCoAが供給されて分枝鎖脂肪酸が多量に合成される。また、ゴールデンハムスターを用いると、分泌脂質を薄層クロマトグラフィーで分析することによってアンドロジェン受容体の作用機序を非侵襲的にモニターすることができるようになった。このことは細胞内の個々の代謝や遺伝子発現といった、生化学における基礎知識の解明に役立つだけではなく、フェロモン作用という生理現象や鋤鼻器官における受容体の検索という新しい課題の解明にも適した系であることも示している。また、抗アンドロジェン剤のスクリーニングに用いることによって、創薬の手段としても有望で、医薬への応用の道も開かれてきた。
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