研究課題/領域番号 |
11694258
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
日下 幸則 福井医科大学, 医学部, 教授 (70135680)
|
研究分担者 |
志田 寿夫 珪肺労災病院, 研究研修部, 部長
中島 康雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00155730)
審良 正則 国立療養所近畿中央病院, 放射線科, 医長
菅沼 成文 福井医科大学, 医学部, 助手 (50313747)
平賀 洋明 札幌鉄道病院, 病院長
|
キーワード | ILO / CT / じん肺 / アスベスト肺 / 診断基準 / 標準フィルム |
研究概要 |
本研究は放射線診断学の分野で世界に先じる日本の主導で進められ、フィンランド国立産業医学研究所(FIOH)、ドイツ坑夫共済病院、米国・厚生省労働安全衛生研究所(NIOSH)の研究者との多国間共同研究であり、その中心メンバーは研究代表者を始めILO国際じん肺基準の改訂作業にも携わる世界的エキスパートである。 じん肺、特に、アスベスト(石綿)によるアスベスト肺は今や先進諸国における産業医学上最大の問題であり、最新の診断技術であるCTあるいは高分解能CT(HRCT)を導入し、現行の胸部単純X線によるILO国際じん肺診断基準に替わるCTの為の国際じん肺診断基準の開発が必要である。 初年度の研究の結果、日本基準は数度にわたる改訂が重ねられ産業衛生に関する国内及び国際学会において発表し注目を集めた。平成12年2月にFIOHと共催でフィンランドで行なわれた班会議において、ドイツ、フィンランド、日本、米国に加え、フランス、ベルギーなどEU諸国の研究者の参加を得た。ここでフランス語圏において第四のじん肺診断基準が存在している事が明らかになった。これら6カ国のエキスパートの合意により国際基準開発の必要性が再確認され、アスベスト肺については概ねHRCTの撮影基準ならびに読影シートが出来上がった。 EU諸国の四カ国を含む研究グループにより開発されつつあるこの国際じん肺診断基準はEU諸国において標準的に採用される可能性が強くなった。また、ILOの担当官もこの研究の動向に関心を示しておりこの成果がILOから国際基準として発表される可能もある。 しかし、国際アスベスト肺診断基準の完成のためには、その典型的所見を示す標準フィルムの選定が必須である。また、アスベスト肺診断基準開発によって得られた知見をじん肺全般に普遍する作業が残っている。
|