研究課題/領域番号 |
11694258
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
日下 幸則 福井医科大学, 医学部, 教授 (70135680)
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研究分担者 |
志田 寿夫 珪肺労災病院, 研究研修部, 部長
中島 康雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00155730)
審良 正則 国立療養所近畿中央病院, 放射線科, 医長
菅沼 成文 福井医科大学, 医学部, 助手 (50313747)
平賀 洋明 札幌鉄道病院, 病院長
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キーワード | じん肺 / 国際基準 / CT / 石綿肺 / 参照フィルム / HRCT / 胸膜肥厚 |
研究概要 |
初年度の研究の結果、高分解能CT(HRCT)を粉塵曝露者のスクリーニングに用いる際に遵守すべき撮像条件が合意された。 平成12年6月、日光での班会議において、この条件に沿って撮られたHRCTの所見の記述について、その読影指針、読影票が主にドイツ案、日本案を原型として作成された(日光システム)。日光合意に基づき19例の粉塵曝露者のHRCT写真をドイツ、フィンランド、日本、米国、フランス、ベルギー、英国の研究者が読影試験を行い、各所見のグレード付けが一致している症例を選出した。また、読影票の表現等についての評価を行った。 さらに、検討された内容について討議するため10月にドルトムントで班会議を開き、日光システムを再検討して、読影指針、読影票の改訂(ドルトムント・システム)が行われた。また、読影試験の結果から選出された参照フィルムを供覧し合意を得た。この結果、合意された参照フィルムは粒状影、不整形陰影、Dot-like lesion,蜂窩肺、肺気腫、胸膜肥厚などである。開発された国際基準が石綿肺などの極めて初期に見られるDot-like lesionなど、古典的珪肺、石綿肺では見られない所見をも記載できることから、じん肺一般に留まらず、職業性および環境性呼吸器疾患のためのHRCT国際基準とすることが合意された。 改訂された読影指針、読影票、選出された参照フィルムからなる国際基準をもちいた読影試験が現在進行中であり、この結果を持って、本国際基準はその是非を世に問われる。
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