研究課題/領域番号 |
11694274
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
澤井 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20202103)
渡部 真三 愛知県, コロニー発達障害研究所, 主任研究員 (10093486)
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
佐々木 仁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40104236)
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キーワード | 視神経 / 再生 / 網膜 / 神経節細胞 / 軸索 / 受容野 / 機能評価 / 行動 |
研究概要 |
1.渡部らは、視神経切断後の2週間以内におけるネコ網膜神経節細胞の生存経過(特に細胞型による経過の違い)について定量的に解析し、特にX細胞において、切断後3-7日で急速に細胞死に陥ることを明らかにした。さらに、視神経切断後、硝子体内にBDNF,CNTF,Forscolinの混合液を注入することによって、特にX細胞への著明な細胞死防御効果があることを見いだした。 2.三好らは、ネコの視神経切断後の2週間以内における網膜神経節細胞の機能評価を眼球内単一ニューロン記録によって解析した結果、術後5日ではY細胞、X細胞のいずれも、約3分の1で受容野径の縮小が見られ、また自発放電頻度歯全体に著明に減少することを見いだした。またこの受容野の縮小は硝子体内へのBDNF,CNTF,Forscolinの混合液の注入によって、大幅に軽減されることを示した。 3.以上、1.2.のネコの成果に関しては、渡部、三好らが平成12年5月アメリカ、フォートローダデールで行われた視覚眼科学連合学会(ARVO)で発表し、さらに共同研究者のJohn Tryoy助教授をNorthwestern大学に訪問しデータにつぃて討議した。 4.井上らは、bcl-2遺伝子導入マウスを用いて、坐骨神経移植による視神経再生を定量的に評価して、bcl-2遺伝子の強制発現には神経節細胞の著明な生存促進効果はあるが、軸索再生の促進効果はないことを明らかにし、論文として完成させ、J.Neurosi.に投稿し、査読を終えて現在改訂中である。 5.佐々木らは、これまでよりさらに短時間で効率よく、移植動物の視覚機能の回復を評価するため、視覚刺激を先行させることによって驚愕反応が抑制される、いわゆるprepulse inihibitionの評価法の導入の可能性を検討した。 6.福田は、われわれの視神経再生の機能評価に関するラット、ハムスターでの研究成果と、神経栄養因子などの眼球内注入によるの視覚機能改善について、第2回アジア太平洋神経再生シンポジウム(平成12年12月3-4日中国西安)および、第14回国際眼研究会議(ICER)のシンポジウム(平成12年10月15日-20日、サンタフェ)で講演した。
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