研究課題/領域番号 |
11694279
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉本 央 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20142317)
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研究分担者 |
小熊 恵二 岡山大学, 医学部, 教授 (00002262)
高橋 元秀 国立感染症研究所, 細菌血液製剤部, 室長 (00216764)
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学部, 教授 (10109895)
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キーワード | 破傷風 / ジフテリア / ボツリヌス毒素 / 抗毒素 / ヒト型モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ |
研究概要 |
平成12年度においては、平成11年度に中国側2施設と日本側との間で合意した各項目について、中国側と日本側とでヒト型モノクローナル抗毒素抗体の実用化に向けた研究を進め、以下の成果を得た。 1.蘭州研究所で製造したヒト型抗破傷風モノクローナル抗体の試験標品を薬品生物製品検定所に検定材料として出来るだけ早期に供給するべく、蘭州研究所でハイブリドーマの培養を試みた。最適な培地を入手する事や中国側で準備した牛胎児血清が不適当であった等の障害を克服し、現在1ヶ月半の連続培養が可能になった。 2.ハイブリドーマ株の無血清培地への馴化が遅れているので、当面牛胎児血清入りの培地で生産したモノクローナル抗体の精製を進めているが、精製方法として抗ヒトIgG抗体によるアフィニティクロマトグラフィーの有用性の検討に入った。 3.日本側でより効率的なモノクローナル抗体の生産方法を実験室レベルで検討する。ホロファイバーを用いた循環式連続培養装置で、月産約1.5gのG4抗体を生産できるようになったが、G6抗体では培養1ヶ月で抗体産生量が急落する現象に遭遇し、現在その原因について検討を進めている。 さらに、研究代表者と研究分担者である小熊恵二を新彊ウイグル自治区のウルムチに派遣して、同自治区における新生児破傷風およびボツリヌス中毒症の実態調査を行なった。その結果中国新彊ウイグル自治区では新生児破傷風の発生が年平均約50例であり、ボツリヌス中毒症の集団発生もしばしば見られる事が明らかとなり、同自治区がヒト型モノクローナル抗毒素抗体の治験を遂行するに適当な地域であるとの結論をえた。
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