研究課題/領域番号 |
11694284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 教授 (10163974)
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研究分担者 |
杉本 勝良 香川医科大学, 医学部, 助手
山口 文徳 香川医科大学, 医学部, 助手 (40271085)
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00209537)
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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キーワード | Calbrain / カルシウム結合蛋白質 / 脳 / 記憶 / S-100 / Ca^<2+> / calmodulin-dependent protein kinase II / calcineurin |
研究概要 |
Calbr ainならびに類似のEF-handカルシウム結合蛋白質の物性を解析するとともに、記憶の形成に関連する蛋白質(酵素)に及ぼす影響を解析した。 1 Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II(CaMK2)に対してはカルモジュリンと競合的に阻害効果を示したが、CaMK1,CaMK4活性に対してはほとんど阻害効果を示さなかった。 2 calbrainはCaMK2の自己リン酸化を抑制した。 3 他のcalmodulin依存性酵素(myosine light-chain kinase,nitric oxide synthase,phosphodiester aseなど)に対する効果も調べたが、ほとんど阻害も促進もしなかった。ただしcalcineurinに対してcalmodulinがなくても促進効果を示した。 4 calbrainの発現をNorthernblot解析で調べたところ、特異的に脳に発現し、特に海馬や小脳に多く認められた。 5 calbrainおよびS-100等のEF-handカルシウム結合蛋白質を多量に発現させ、NMRや結晶解析などによりの分子構造解析を行い比較検討している。 6 calbrainのアルツハイマー脳において発現を解析したが、対象脳との間に大きな差は認められなかった。 以上の結果から、calbrainは2つのEF-hand構造を持つカルシウム結合蛋白質であるが、calmodulinとは異なる働きを持つと考えられる。特に記憶に関連するCaMK2とcalcineurinに対して相反する作用を持つことが判明した。
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