研究課題/領域番号 |
11694284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 教授 (10163974)
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研究分担者 |
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
杉本 勝良 香川医科大学, 医学部, 助手 (80322270)
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
竹内 義喜 香川医科大学, 医学部, 教授 (20116619)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | Calbrain / CaM kinase II / 脳 / LTP / S-100 / 低体温 / NMDA / アルコール依存症 |
研究概要 |
神経細胞においては細胞内カルシウムイオンの濃度変化によりさまざまな機能制御がなされている。我々の発見したcalbrainというEFハンド構造を持つカルシウム結合蛋白質は、このカルシウムイオンの変化を仲介するセンサーとして働いていることが推察された。その結果、以下の結果を得た。 1.Calbrainは2個のEF-hand構造を有し、calmodulin(CaM)と高い相同性を有する。calbrainはCaM kinaseIIへのCaMの結合と競合し、そのKiは129mMであった。またCaM kinaseIIの活性及び自己リン酸化はcalbrainにより阻害された。 2.Calbrainは海馬のスライスを用いたlong-tem potentiation(LTP)実験で、LTP成立後に急速にダウンレギュレートされることが判明した。この結果はLTP時に海馬スライスにおいてCaM kinase IIの活性化が起こることをよく説明している。 3.CaM kinase Iが海馬の神経細胞において主として細胞質に存在し、LTP形成後に発現量が増加すること、また一部のCaM kinase Iは核に移行することが判明した。LTP形成のメカニズムのひとつと考えられた。 4.虚血後の海馬神経細胞死は低体温法によりある程度抑制できるが、NMDA receptorの発現は細胞体周辺に多く、樹状突起にはむしろ減少していることが判明した。またLTP形成能も低体温1週間後には悪くなっていた。 5.6%アルコールを慢性的に投与したアルコール依存症マウス脳において、グリア細胞の変化をGFAPにより解析したところ、視索上核の背腹側部において急激なグリア細胞の増生が起こっていた。 6.S100A12の機能を解析すべく大腸菌において発現し大量に精製することに成功した。
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