研究課題/領域番号 |
11694285
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三木 哲郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (00174003)
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研究分担者 |
伊賀瀬 道也 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (90314955)
名倉 潤 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (70304607)
小原 克彦 愛媛大学, 医学部, 助教授 (30260384)
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キーワード | 本態性高血圧 / 遺伝子解析 / 症例-対照研究 / 分子遺伝学 |
研究概要 |
遺伝子多型としてSNP(single nucleotide polymorphism)を用いた多因子病の解析が、最近注目されている。アンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子上の10種のSNPsのタイピングを行い、ハプロタイプを作成した。さらに、英国人と日本人の間、あるいは高血圧患者群と健常人群の間で、ハプロタイプ頻度を統計学的に比較し、ACE遺伝子が高血圧関連遺伝子であるかどうか検討した。 対象とした遺伝子はアンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子であり、心筋梗塞を始めとする各種循環器疾患や糖尿病性腎症の発症との連鎖が報告されている。今回、ACE遺伝子の中の10種のSNPsについてタイピングした。5'上流から順に、T-5991C、A-5466C、T-3892C、A240T、T93C、T1237C、G2215A、I/D(insertion/deletion)、G2350Aと4656(CT)3/2多型である。解析した集団は血縁関係のない100名であり、SNPsのタイピングの後、コンピュータープログラムであるHAPLOを利用して、ACE遺伝子のハプロタイプを作成した。5%以上のハプロタイプは2種類のみであり、英国人に5%以上の頻度で認められたTATATCADG2(英国人で9%)やTACATCADG2(同7%)は、日本人では認められなかった。また、高血圧群と対照群の間では、ハプロタイプの頻度に差を認めなかった。HAPLOによるハプロタイプの作成により、日本人のACEのハプロタイプにおいて、イギリスでは報告されていない頻度の高いものを認めた。本法は、本態性高血圧の責任遺伝子解析に応用できるものと考えられる。
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