研究課題/領域番号 |
11694287
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 稔 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (40217906)
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研究分担者 |
西村 泰治 熊本大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10156119)
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60243961)
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
松下 祥 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50167649)
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キーワード | 原発性胆汁性肝研変 / 抗ミトコンドリア抗体 / MHC / ペプチド複合体 / T細胞エピトープ / 分子相同性 / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
研究目的:PBCの病態形成に深くかかわっていると考えられる抗ミトコンドリア抗体の対応抗原のT細胞エピトープを同定し、抗原特異的T細胞による抗原認識機構を解析することにより、PBCの病因を明らかにする。また、この情報をもとに抗原特異的な免疫療法を開発する。 研究方法・結果:PBC患者及び健常者よりヒトPDC-E2 163-176ペプチド反応性T細胞クローンを樹立し、多数のaltered peptide ligandを用いてPDC-E2 163-176ペプチド反応性T細胞のペプチドモチーフを決定した。同定された2種のモチーフ(EXDK, EIEXD)と相同性を示す外来抗原および自己抗原の広範なコンピューターホモロジーサーチを行い、多数の分子相同性ペプチドを合成した。PDC-E2 163-176ペプチド反応性T細胞クローンとこれら分子相同性ペプチドとの反応を詳細に解析し、病因との関係が強く推定される細菌由来ペプチドや自己抗原由来のペプチドを同定し得た。 共同研究:共同研究者の笹月健彦博士、福井宣規博士、西村泰治博士、松下祥博士にもそれぞれの担当領域の研究を進めて頂く。海外の協力者であるカリフォルニア大学のGershwin教授、エモリー大学のAnsari教授とは、移植肝組織からのT細胞株樹立や胆管上皮細胞の精製などの共同研究をすすめている。 結論:自己反応性T細胞のTCRリガント認識は我々が推測していたよりも多様性や交差反応性に富むことが明になった。PDC-E2 163-176ペプチド反応性T細胞クローンに対するsuperagonistやweak full agonist, antagonistも同定し,これらのペプチドによる免疫制御の可能性が示唆された。今後は動物モデルの作製や胆管上皮細胞の障害機構、胆管上皮細胞によるPDC-E2 163-176ペプチド反応性T細胞の制御機構などの解明を目指す予定である。
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