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2000 年度 実績報告書

新規のイノシトール1,4,5-三リン酸結合蛋白質の機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11694288
研究機関九州大学

研究代表者

平田 雅人  九州大学, 歯学研究院, 教授 (60136471)

研究分担者 竹内 弘  九州大学, 歯学研究院, 助手 (70304813)
兼松 隆  九州大学, 歯学研究院, 助教授 (10264053)
キーワードイノシトール1,4,5-三リン酸 / 中枢神経系 / ホスホリパーゼC / カルシウムイオン / GABA受容体 / 蛋白質脱リン酸化
研究概要

新規Ins(1,4,5)P_3結合蛋白質(PRIP1)は、我々が精製・遺伝子クローニングしたPLC-δ1類似蛋白質であるが、PLC酵素活性を持たない。PRIP1分子の機能を探るためイーストツーハイブリッド系でPRIP1に結合する分子を2種類同定した。1つは、protein phosphatase-1(PP-1)でありもう一つはGABARAP(GABA_A受容体結合蛋白質、GABA_A receptor associated protein)であった。PP-1がPRIP1と複合体を形成するとホスファターゼ活性が抑えられることが分った。一方、PRIP1とGABARAPが結合することが明らになったので、PRIP1のノックアウトマウスを作製しGABA_A受容体情報伝達経路に対する影響を調べた。PRIP1^<-/->マウスの海馬細胞を用いwhole-cell patch記録法でGABA誘発性Cl^-電流のZn^<2+>による効果を調べた結果、PRIP1^<-/->マウスでは、Zn^<2+>によるCl^-電流の抑制効果が完全に消失していた。この結果はGABA_A受容体のγサブユニットを介した情報伝達経路が機能しない事を示唆するものであった。そこで、γサブユニットに作用点をもつベンゾジアゼピン系薬剤に対する影響を調べた。PRIP1^<-/->マウスの海馬細胞にジバゼパムを作用させたところGABA誘発性Cl^-電流の増強効果が抑えられた。また、抗不安効果を評価するプラス迷路を用いたPRIP1^<-/->マウス行動解析実験においてもジバゼパム作用効果が減弱していた。以上より新しいIns(1,4,5)P_3結合性蛋白質(PRIP1)は、GABA_A受容体情報伝達経路においてGABARAPとPP-1と共役してGABAシグナルを調節している可能性を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takeuchi,H.: "Inhibition of calcium signalling by p130, PLC-related catalytically inactive protein : critical role of the p130PH domain"Biochem.J.. 349. 357-368 (2000)

  • [文献書誌] Kanematsu,T.: "Domain organization of p130, PLC-related catalytically inactive protein, and structural basis for the lack of enzyme activity"Eur.J.Biochem.. 267. 2731-2737 (2000)

  • [文献書誌] Hermosura,M.C.: "InsP_4 facilitates store-operated calcium influx by inhibition of InsP_3 5-phosphatase"Nature. 408. 735-740 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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