研究課題/領域番号 |
11694292
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161062)
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研究分担者 |
坂口 末廣 長崎大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60274635)
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | プリオン病 / プリオン蛋白 / 神経変性 / RNAスプライシング / 遺伝子ノックアウトマウス |
研究概要 |
プリオン蛋白欠損マウス(Ngsk Prnp^<0/0>)に老齢化に伴い惹起される小脳プルキンエ細胞の脱落及び脊髄と末梢神経の脱髄が正常プリオン蛋白(PrP)遺伝子の再導入により回復することを確認した。これらは正常型PrPが神経細胞の生存と機能に重要な役割を果たすこと、PrP変換にともなう正常型PrPの機能消失がプリオン病の病態形成に関与することを示唆した。 さらに、ホモ欠損マウスへの種々の変異PrP遺伝子の導入を行った。E200K変異(家族性CJD型変異)マウスPrP遺伝子(MoPrnpE200K)はプルキンエ細胞死を阻止したが、Octa-repeat欠損マウスPrP遺伝子(MoPrnp△23-88)は阻止できなかった。E200KPrPは神経変性阻止に関わる生理機能を保持すること、PrP^Cの生理機能発現にはCu^<2+>結合部位とされるOcta-repeat領域が重要であることが判明した。 Ngsk Prnp^<0/0>の脳組織にPrP遺伝子イントロン構造破壊に起因するPrP遺伝子と下流の新規遺伝子の間でのintergenic splicingに基づく融合mRNAを同定した。このmRNAはZrch Prnp^<0/0>には存在しない。この新規遺伝子はPrP類似蛋白(PrPLP/Dpl)をコードするORFを有し、PrPに極めて類似した二次構造を有する。Ngsk Prnp^<0/0>における異常mRNAの発現はPrP遺伝子プロモーターに支配され、その結果PrPLP/Dplの神経細胞での異所性発現が惹起されていることが判明した。即ち、Ngsk Prnp^<0/0>の神経細胞死にはPrPの機能消失とPrPLP/Dpl異所性発現の双方が要因となることが強く示唆された。さらに、PrPLP/Dplは(1)新生児期の脳血管内皮細胞で発現し血液脳関門の形成と関連すること、(2)PrPとPrPLP/Dplが物理的に会合することを見出した。
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