研究課題
12年度の成果12年度において臨床では生体肝移植症例を増やし、免疫寛容確立症例も2例増加し3例となった.すべての血清を保存し、新しい蛋白探究法としてSELDI-Protein Chipsを導入して検した.また、米国David H.Munnが1999年のImmunology Todayに報告した内容に準じ、必須アミノ酸であるトリプトファンを異化する酵素IDO:indoleamine 2,3-dioxygenaseを新しい免疫寛容関連物質として検討を行った..1.肝移植における免疫寛容自験例生体肝移植では40例中3例に免疫抑制剤から離脱した症例を経験し、血清中の蛋白の変化をSELDI法により検索している.臨床から得た肝移植後の免疫寛容に関する知見を国際移植学会・アジア移植学会・Transplant Proceedingsに報告した.未発表ではあるが臨床生体肝移植における血清をSELDI-Protein Chipsにかけ結果数種の蛋白が移植後発現することを明らかにした.2.新しい免疫寛容関連物質の検討IDOのinhibitorをInnovative Research of America社のpolymer pelletに含ませたものを輸入し、これを自然に免疫寛容誘導されるmice肝移植に投与した.結果、投与量の関係が影響し、免疫寛容をブロックするに至っていない.台湾ではratにおけるIDOのsequenceと肝移植でIDOが誘導されることを明らかにし、ともに結果をTransplantation Immunologyに発表した.
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