研究分担者 |
細山田 真 杏林大学, 医学部, 講師 (00291659)
武田 理夫 杏林大学, 医学部, 助教授 (40255401)
金井 好克 杏林大学, 医学部, 教授 (60204533)
稲富 淳 杏林大学, 医学部, 助手 (00311960)
金 徒慶 杏林大学, 医学部, 助手 (40327474)
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研究概要 |
有機物質の経細胞膜輸送を司るトランスポーターの機能の特徴は-トランスポーター分子により輸送される基質の数が複数種類あって、その分子機構は未だ不明である。トランスポータータンパク質の結晶化による三次元解析の成功が待たれるものの、困難が予測される.而るに、本研究ではトランスポータータンパクと基質の関係について、基質分子構造と輸送の関係について検討した。 中性アミノ酸トランスポーターLAT1はL型アミノ酸の他に諸種薬物をも輸送する。まずヒトLAT1遺伝子の安定発現系をマウス腎由来株化培養細胞S2への導入を行った。これにより得られた細胞への放射性標識フェニールアラニンの取り込みに影響を与える各種薬物の阻害効果を解析した。その結果、この取り込みはL-dopa,α-methyldopa, molphalan, triodothyroninc, throxine等の芳香族アミノ酸類似物質により競合的に抑制された。他方、phenylalanine methyl ester, N-methyl phenylalanine, dopamineなどはこの輸送に影響を与えなかった.これらのLAT1による基質認識性をコンピューターにより解析した結果、LAT1による認識には、芳香族アミノ酸に加え、遊離のカルボキシル基とアミノ基が重要である事が判明した。 この種の解析はトランスポーターによる基質認識の分子機序解明に有用である事が明らかにされた。
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