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1999 年度 実績報告書

エキシマレーザーを用いた緑内障房水流出障害の為の移植デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11694316
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東海大学

研究代表者

村原 正隆  東海大学, 工学部, 教授 (40166301)

キーワード緑内障 / 房水流出障害 / 移植デバイス / エキシマレーザー / 多孔質フッ素樹脂フィルム / 親水性化 / 光化学的改質 / 房水の圧力制御
研究概要

緑内障患者の房水流出障害を改善し、眼圧を自動的に20mmHg以下に保つ排水弁的機能を有する房水透過フィルターを作り、これを用いて移植用デバイスを作るために、以下の様に東海大学及びマイアミ大学において研究が行われた。
1.東海大学:多孔質フッ素樹脂フィルム(Mitex.孔径10μm)にアルコールを含ませた後、脱フッ素原子として、H,B,Alを化合物とする、純粋(H_2O)、1%B(OH)_3水、0.5%Al(NO_3)_3水溶液などを含ませた状態で、ArFエキシマレーザー光を5〜20mJ,1000〜3000ショット照射して、試料内部及び表面に親水性を呈するOH基を置換した試料を作成した。
2.マイアミ大学:東海大学で作成した上記試料を、生理食塩水を用いて、0〜40mmHgの圧力下で透過試験を行った。未処理試料では、水圧を20mmHg以上にしなければ透過しなかったが、B(OH)_3水溶液を用いて15mJ/cm^2のArFエキシマレーザーを2000ショット照射した試料では、10mmHgの水圧で1ml/cm^2/minの透過流量が得られた。Al(NO_3)_3水溶液では、レーザー光15mJ/cm^2,1500ショット照射で、1.5ml/cm^2/min。純粋(H_2O)の場合には、レーザー光15mJ/cm^2,1500ショット照射では、0.3ml/cm^2/minであった。これら3つのグループ、すなわち、H,B,Al化合物で光改質した試料を滅菌後3mmφの大きさに加工して、3羽の兎の角膜に移植して、生体適合性テストを行った。そして、術後7,14,21,28,42,56日と観察を続けた結果、B(OH)_3,Al(NO_3)_3を用いて改質した試料では新生血管が出現し、試料が眼球外に排出される拒絶反応が見られた。一方、水(H_2O)を用いて改質した試料には拒絶反応が出現しなかった。以上の結果を元に、今後水による親水性化を進めていこうと計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Ito and M,Murahara: "Photo Induced Hydrophilic Treatment of Porous Fluoropolymer Film by Using H_2O Vapor"Fundamental Gas-phase and Surface Chemistry of Vapor-Phase Materials Synthesis. Vol.98-23. 458-461 (1999)

  • [文献書誌] S.Ito and M,Murahara: "Inner Pore of Porous Fluoropolymer to Hydrophilic by using UV Light and H_2O Vapor"Mat.Res.Soc.Symp.Proc. 544. 51-56 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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