研究課題/領域番号 |
11694320
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60046117)
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研究分担者 |
佐藤 三佐子 日本ロシュ株式会社研究所内, 株式会社エイジーン研究所, 研究員
古市 泰宏 日本ロシュ株式会社研究所内, 株式会社エイジーン研究所, 所長(研究職)
野澤 資亜利 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40167573)
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キーワード | 男子不妊症 / Semenogelin / 精子運動抑制因子 / 遺伝子診断 / capacitation / Y染色体DNA多型 |
研究概要 |
男子不妊症の診断法と治療法の開発を目指し、基礎・臨床の両面から研究を行い、次のような知見が得られた。 臨床研究 平成10年度に引き続き、聖マリアンナ医科大学倫理委員会の承認のもとDNA収集を行い、現在約500名の男子不妊症患者ジーンバンクの構築を終えた。 これらのDNAの解析として、精子運動抑制因子の前駆体であるSemenogelin遺伝子のDNA配列を検討したところ、患者5名で第2エクソンの一部に欠失がみられたが、精液所見との相関はなく、健常人にもみられる正常変異であると考えられた。また、精子形成能に重要な役割をすると考えられているY染色体上の3つのDNA多型を分析し、不妊患者および妊孕能のあるボランティア成人男性を4種類のハプロタイプに分類し、精液所見との関連について検討した。その結果、各ハプロタイプ間で精子濃度に差があることが判明し、また無精子症の起こり易さは特定のハプロタイプと関連していることを明らかにし、J、Hum Genetに発表した。今後更に症例数を増やしてハプロタイプと造精機能の関係について検討する。 基礎的研究 Semenogelin(Sg)の機能に関する研究として、Sgが精子のcapacitationを抑制するのかどうかを検討するため、予備実験にてcapacitation誘発物質とともに種々の濃度のSgを精しに加えたところ、濃度依存症にcapacitationを抑制する傾向が見られた。次年度はcapacitation誘発物質の種類を増やし、詳細な検討をおこなってゆく。 また、r-Sgを抗原にしてモノクローナル抗体作成を試みているが、現在のところ特異性と力価の高いクローンが得られず、更にスクリーニング中である。
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