研究課題/領域番号 |
11694330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
目加田 英輔 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20135742)
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研究分担者 |
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助教授 (50197745)
小戝 健一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (90258418)
山田 源 熊本大学, 動物資源開発センター, 教授 (80174712)
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キーワード | HB-EGF / メタロプロテアーゼ / エクトドメインシェディング / リゾフォスファチジン酸 / プロテインキナーゼC / MAPキナーゼキナーゼ |
研究概要 |
細胞膜蛋白質の多くは細胞表面でプロテアーゼによる切断を受けてその細胞外部分が培地中に遊離される。本研究は、細胞増殖因子HB-EGFを材料に、膜型分子から分泌型分子が生じる機構の解析行うものである。多くの細胞増殖因子の他、TNF,FASL等の炎症性のサイトカイン、bアミロイドタンパク等病理的に重要な分子も同様の機構(エクトドメインシェディング機構)で遊離されることから、この機構の解析は基礎研究のみならず疾病の治療法の開発の意味からも重要である。 本研究代表者らは、これまでの研究で、プロテインキナーゼCのアイソタイプであるPKC-dと、細胞質領域でPKC-dに結合する膜型メタロプロテアーゼMDC9が、HB-EGFの膜型から分泌型への転換に関与していることを明らかにしてきた。本研究補助金のサポートのもと、今年度は牛胎児血清中に含まれるHB-EGF切断刺激因子とその下流で働く因子群について解析した。その結果、1)血清中に含まれるリゾフォスファチジン酸(LPA)がHB-EGFの切断を誘導すること、2)LPAの下流で、Rhoファミリー低分子量GTPaseに属するRac1が活性化されること、3)さらにその下流でMAPキナーゼキナーゼであるMEKが関与すること、を明らかにした。また、LPAによって誘導されるHB-EGF切断経路は、先に明らかにしたPKC-d/MDC9経路と独立に存在することを、PKC-d、MDC9、Rac1のドミナントネガティブ型変異体等を用いた解析から明らかにした。これらの成果は、HB-EGFの膜型から分泌型への転換のみならず、エクトドメインシェディング機構全容の解明にむけての、重要な足がかりとなるものと思われる。
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