研究課題/領域番号 |
11694333
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
駒瀬 勝啓 社団法人 北里研究所, 基礎研究所・ウィルス2室, 主任研究員 (80215384)
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研究分担者 |
亀井 聡 日本大学, 医学部, 講師 (40142509)
吉川 泰弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80109975)
高須 俊明 日本大学, 医学部, 教授 (90010024)
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キーワード | パプアニューギニア / SSPE / 麻疹 / 麻疹予防接種 / ケースコントロールスタデイー / 麻疹ウイルス |
研究概要 |
パプアニューギニア高地におけるSSPEの高頻度の発症原因を探るために、3度、現地へ趣き、患者試料、疫学データーの収集を行った。過去の調査で、当地のSSPE患者において麻疹予防接種歴を有するものが多く見られ、SSPEの多発と麻疹予防接種の間に何らかの関連があることが推測されていた。そこで、ここ2年間にゴロカ基盤病院で登録されたSSPE患者のうち約30例を症例とし、各症例に対し、性、年齢が同じである3名の非SSPE患者を対照として、麻疹予防接種歴と麻疹罹患歴の両群間比較を行うケースコントロールスタデイーを行った。現在の所、必要な対照数の約3分の1の32例の対照例が集まっている。中間集計ではあるが症例29例の予防接種率は84.6%、麻疹罹患歴は52.65%に対し、対照の麻疹予防接種率は93.8%、麻疹罹患歴7.1%の結果を得ている。この事は予防接種がSSPE発症の危険因子に成っていないこと、麻疹罹患がSSPEの発症の危険因子に成っている事を示唆している。一方、SSPEの高頻度発症には当地で流行している麻疹ウィルスの性状が関連している可能性が考えられる。昨年夏にあった麻疹の小流行時に麻疹患者咽頭拭い液からウイルス分離に成功した。ゲノムの一部の遺伝子を増幅、回収し、塩基配列を決定したところ、今まで報告のあった麻疹ウイルスのD3群ともっとも近種だが、新群を形成する可能性が考えられた。またわれわれが当地のSSPE患者のリンパ球より増幅したウイルスゲノムの塩基配列と比較したところ、近似のウイルスであることが示された。これらのことから、当地で流行する麻疹ウイルスは固有のウイルスであり、SSPE発症に関与している事を示した。
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