研究課題/領域番号 |
11695001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
中村 一基 岩手大学, 教育学部, 教授 (20133895)
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研究分担者 |
木村 直弘 岩手大学, 教育学部, 助教授 (40221923)
藪 敏裕 岩手大学, 教育学部, 助教授 (20220212)
宇佐美 公生 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30183750)
中村 安宏 岩手大学, 教育学部, 助教授 (10282089)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 祖霊祭祀 / 遺骨崇拝 / 金属打楽器音 / 霊魂 / 世代間倫理 / 先秦・魯国 / 『詩経』周頌 / 「第3の新人」 |
研究概要 |
本研究では、中国と日本の祖霊祭祀の問題を特に取り上げ、中国に関してはその通時的・共時的実態を様々な角度から検討し明確化するとともに、その日本への影響を分析して、原日本的なものと外来的なものがいかに融合・調和しまた矛盾・背反しているかを明らかにし、併せて現代における祖霊祭祀の意味を考察した。研究分担者ごとに内容をみてゆくと、祖霊祭祀の問題を、藪敏裕は『詩経』に見える祖霊祭祀の分析と日本への影響という視点から、祖霊祭祀の起源を中国に求めた。中村一基は平安時代から中世にかけての祖霊祭祀について、日本の魂祭り習俗の推移と遺骨に対する意識の変化という視点から、浄土信仰の深まりと舎利信仰による白骨の清浄性の観念の結合に求め、中村安宏は江戸時代の祖霊祭祀について、葬式仏教と儒者の喪祭論という視点から、葬式仏教の確立の一方で、儒教の喪祭論・霊魂観も受容さてたことを明らかにした。宇佐美公生は死生観の変化と倫理的機能としての祖霊祭祀という視点から、現在の核家族・少子化と墓の現状、さらに臓器移植・安楽死という生と死の有り様の変化を明ちかにしていった。木村直弘は祭祀儀礼における金属打楽器音の重視が雷神信仰と深く結びついていることを明らかにし、日本の太鼓音重視との差の淵源を父系社会と母系社会の相違に求めた。元当科研代表者・現共同研究者である野坂幸弘は近代から現代にかけての祖霊祭祀について、特に<第3の新人>と呼ばれる作家に注目して、近・現代文学に見る先祖観を解明していき、中国側の共同研究者楊朝明は孔子の祖霊祭祀観という視点から研究を遂行した。
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