研究概要 |
まず,本年度は,本研究計画の2年目に当たり,7月末から8月中旬と,9月中旬から下旬の二度にわたつて,中国ならびにロシアを調査した。中国では,北京市・河南省・陜西省・吉林省,そして,ロシアでは沿海州を訪れ,吉林大学・ロシア科学アカデミー極東支部の研究者と学術交流を行ったほか,各地の博物館・研究所や遺跡群で関係資料を収集し,分析を行った。その結果,新石器時代に関しては,広く東北アジアに共通する採集経済の実態と追求するとともに,各地域における独自性などを明確化することができた。つぎに,青銅器時代について,いわれる遼寧式銅剣に象徴される青銅器文化の起源と展開に関する分析を深めることができた。また,環濠集落についても,遼寧式銅剣文化と密接に係ることもわかった。 1月中旬には,吉林大学の海外共同研究者1名を招聘し,北部九州を中心に,縄文・弥生文化の遺跡の現地調査を実施した。また,東京国立博物館・京都大学総合博物館・福岡市博物館等々が所蔵する,土器・青銅器・石器のほか,住居・墓制に関する資料収集と分析を深めた。 一方,研究代表者は,青山学院大学・大阪市立博物館等で関係資料の調査も行った。
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