研究課題/領域番号 |
11695010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
里見 繁美 熊本大学, 文学部, 助教授 (90170802)
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研究分担者 |
アラン ローゼン 熊本大学, 教育学部, 外国人教師
福沢 清 熊本大学, 文学部, 教授 (80136697)
ROSEN Alan Kumamoto Univ., Eduation, Foreign Teacher
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | CALL / クラスサイズ / ディジタル・ライブラリー / カリキュラム・デザイン / インターネット / 入学試験 / 語学教育 / 教師訓練 |
研究概要 |
本研究では、熊本大学の英語教育を担当しているスタッフが、アメリカ合衆国のモンタナ大学、ペンシルヴェニア大学、連合王国のバーミンガム大学を中心に、これらの大学の優秀な外国語教育の実状をつぶさに観察検証し、熊本大学という教育環境の中で採用可能な要素を抽出し、その現実的な適用を含めて検討することをまず目的とした。他方、モンタナ大学、バーミンガム大学の外国語教育担当の専門スタッフは、熊本大学という外国語教育環境における英語教育の現状を視察し、その問題点と改善点等の示唆の提供を積極的に行った。こうした数回の実地検証の結果、並びに相手側大学研究者あるいは研究協力者による熊本大学での試行授業等の成果を踏まえて、両者間で徹底的なディスカッションを展開し、実際にその合意項目を熊本大学において試行的に適用実施する段階までもっていくことを更に目指すものであった。 先ず、ローゼン論文が率直に指摘しているように、クラス人数の減少と週当たりの授業時間数の増加である。現在一クラス当たり30人から50人で行われている外国語の授業を、15人から20人以内に抑えること。また通常週当たり90分で1回ないしは2回の授業を、50分で4回ないしは5回にすること。こうした指摘は、ハウズマン論文やウンハ論文からも異口同音になされている。こうした改善がなされるだけでも、日本の大学における外国語教育にかなりの効果が期待できるものと推察され、従って即座に実施されなければならないものである。更に、教材その他ということになるが、現在最先端の教育機器としてインターネットやマルティ・メディアあるいはCALLが注目され導入されているが、これらを大学においてもあるいは個々人のレヴェルでも最大限に利用して、一人一人が外国語学習に積極的に興味を見出すとともに、いつでもどこからでも学習できる体制・環境を整えていく必要がある。大学の外国語教育において、これらは最低限保証実施されなければならないが、これらの他に、教師の側の問題として、語学教育のノウハウを身につけた教師ができる限り教育に当たり、また大学の入試にリスニングやスピーキングを最大限導入していくということも日本人の語学力向上にとって重要な方法と言えるのである。以上のようなことがいち早く実施されなければならない重要性を、この報告書は強く提言しているのである。
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