研究課題/領域番号 |
11695014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
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研究分担者 |
市原 靖久 関西大学, 法学部, 教授 (60140240)
芝井 敬司 関西大学, 文学部, 教授 (00144311)
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キーワード | 維新政府 / ベルギー / 岩倉使節団 / 御雇い外国人 / 小国主義 |
研究概要 |
19世紀のベルギーと日本との政治、社会、文化それぞれの側面での関係をこれまでの研究成果の上に立って推し進める努力をした。磯見辰典編「日本・ベルギー関係史」は、当時の日本が如何にベルギーから経済と憲法について多くを学んだかについての情報を提供するが、其の他については情報の提供のみで評価は見られない。また日本からベルギーへの働きかけについては殆ど記されていない。我々の研究計画ではベルギー人研究者との討論を通じて、両国の相互影響について検討することを目指した。ヴァンデヴァレ教授は日本史のみならず中国史にも明るく、キリスト教を通じての関係を考察した。ディミトリ助教授は当時のベルギー政府が日本の国情、特に社会情勢を調査していたことを調べた。芝井教授はリエージュの鉄鋼業の革新性に当時の日本の産業界が目を付けていたことを発見し、朝治教授は明治維新直後から東京大学にリースが招聘されるまでに、日本の史学方法論がヨーロッパの影響を受けつつ如何に近代化していったかを解明した。また、市原教授はディミトリ助教授とともにベルギー憲法と大日本帝国憲法について比較研究する機会を日本でもつとともに、成立事情における御雇い外国人の役割について調査した。研究協力者の藪田教授は周布公平の活動を合衆国の大学図書館に出向いてまで調査し、神戸大学の奥西助教授はベルギーの公文書体系についての情報を分担者に提供した。カトリック・ルーヴェン大学および関西大学での研究会によって情報を交換し、また討論を通じて我々は、1868-1900年当時の両国の政府が国際的視野の中で両国関係のあるべき姿を把握しようとしていたことを確認し得た。研究者各自の成果は既に公表、或いは公表を予定している。
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