研究課題/領域番号 |
11695014
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
市原 靖久 関西大学, 法学部, 教授 (60140240)
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研究分担者 |
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
藪田 貫 関西大学, 文学部, 教授 (80027987)
芝井 敬司 関西大学, 文学部, 教授 (00144311)
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キーワード | 日本 / ベルギー / 近代化 / 国際環境 / 大国と小国 / 国民国家 / 岩倉使節団 / 異文化理解 |
研究概要 |
今年度もこれまでと同様、日本とヨーロッパでの調査を行い、その成果をもとに研究会を行い、最終的な研究成果報告書の作成に取りかかった。 まず今年度は5月に研究活動予定を立て、相互に連絡した上で、9月に日本側研究者4名がヨーロッパに向かい、ベルギー側共同研究者と共同でオランダ・ハーグおよびライデン大学で調査活動を行った。とくにハーグではオランダ国立文書館と国立図書館に連日通い、岩倉使節団関係の資料調査を行った。そのなかで使節団応接を記した新出資料、19世紀後半の旅行ガイドブックなど、岩倉使節団に関しての重要な発見があった。 その後、10月以降にベルギー側共同研究者が相次いで訪日したので、その機会を利用して二度、関西大学で共同研究会をもった。それぞれがこの3年間の研究調査活動を総括するもので、中身の濃い報告であった。 とくに岩倉使節団に関しては、日本側の芝井教授と藪田教授、ベルギー側のファンデバール教授とアリアン協力研究員がそれぞれの視角から検討を加え、19世紀後半、ヨーロッパ世界のなかの小国ベルギーが、維新後の近代化路線を追求する日本にとって、大きな影響を与えていたことが明らかになったのは特筆される。 その点をベルギー憲法と大日本帝国憲法の編纂過程から明らかにしょうとしたのが、市原教授とデミトリ助教授で、ここでも日本側とベルギー側双方の視点と資料が生かされた成果を生んでいる。 また国内でも、各自がテーマにしたがって国立公文書館、東京大学史料編纂所、高知県佐川町立青山文庫などに調査し、それぞれ成果を得ている。またファンデバール教授が関西大学東西学術研究所でのシンポジウム、デミトリ助教授が京都産業大学での研究会、芝井教授が東大史料編纂所でのシンポジウム、藪田教授が京大人文科学研究所佐々木班主催の研究会で発表するなど、研究成果の公表にも努力した。 本年度末にはアリアン研究員を含めた7名の研究成果が報告書として公刊される予定である。
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