研究課題/領域番号 |
11695016
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
湯川 哲之 総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 教授 (20110091)
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研究分担者 |
出口 正之 総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 教授 (90272799)
平田 光司 総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 教授 (90173236)
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キーワード | フィランソロピー / 公益性 / 高等研究 / 心の投票 |
研究概要 |
高等研究機関におけるファンディングが多様化している。高等研究機関は (1)INGOによって設立されたもの(アブダスサラム理論物理研究所など)、 (2)多国間の国家によって設立されたもの(CERNなど) (3)中央政府によって設立されたもの(国立大学、国立研究所など) (4)地方政府によって設立されたもの(ニューヨーク市立大学) (5)民間によって設立されたもの(いわゆるNPO,私立大学、SETIなど) などがある。フィランソロピーは(5)はついての重要性は、言うまでも無いが、(1)から(4)までにおいても、量的な面ではなく、質的な面での役割が大きい。研究の過程で、国際的なフィランソロピーの流れが、申請書などの言語に依存している可能性が浮かび上がってきた。英語を使用する研究者がフイランソロピーの受け手になり安いのではないかという点である。この点については十分な裏付けはできていないが、研究分担者の出口正之はこうした状況を「言政学的状況」(Lingua-Political situation)と名づけた。また、研究協力者の柴崎文一は、フィランソロピーの申請がWEBを通して行われるようになった現状から、同様の状況がコンピュータ言語環境に依存している点に注目している。 また、フィランソロピーが税制上優遇される場合があるが、研究機関が、たとえばUFOの非科学的研究を標傍したときに、寄付者の寄付を税制上優遇すべきかと言う問題も生じる。また、SETI(地球外文明探査研究所)はNPOであるが、しかし、一方でそれを完全に国家の側でコントロールすると、CERNのような大型科学施設に税金を投ずべきか、といった「公益性の判断原理」が深く関わってくることも、このテーマにとって本質的な課題である。
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