研究課題/領域番号 |
11695020
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 文雄 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20082729)
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研究分担者 |
中里 宗敬 青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教授 (90207754)
堀内 正博 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80114891)
高森 寛 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (30082671)
武田 澄広 青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教授 (30296389)
清水 康司 青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教授 (60286226)
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キーワード | FAST / 仮想金融市場 / ファイナンスへの実験科学的アプローチ / サイバートレーディング / デリバティブ取引 / コンピュテーショナル・ファイナンス / 金融テクノロジー / 金融工学 |
研究概要 |
本研究は、米国・カーネギー・メロン大学産業経営大学院と共同研究しているFAST(Financial Analysis and Security Trading)を発展させ、仮想金融市場のプログラムを開発することを目的としたものである。 平成12年度においては、平成11年度に整備したサイバー・トレーディングのネットワークを利用して、東京(本学)-ピッツバーグ(カーネギー・メロン大学)との間に太平洋仮想金融市場を構築し、FASTのコースウェアの共同開発を行った。この開発を東京(本学)-上海(復旦大学)との間におけるアジア仮想金融市場の構築に適用し、FASTの実験を試みた。さらに、アジア太平洋仮想金融市場の構築のために、東京(本学)-シドニー(マッコリー大学)Applied Finance Centerとの間でFAST教育の共同開発に合意し、実験科学的な金融市場研究を推進していくことになった。特に、平成12年度においては、下記の研究と実験を実施した。 (1)仮想金融市場の二国間合同運用の実験を行うために、カーネギー・メロン大学の協力を得てFASTプログラムの改良を行い、多国間合同運用プログラムの開発を行った。 (2)カーネギー・メロン大学とのFASTの国際合同授業に加えて、上海・復旦大学とFASTの実験を行った。オーストラリア・マッコリー大学とFASTの共同開発のための事前調査をした。 (3)仮想金融市場へのデリバティブ取引の導入及びプログラムの改良を引続き行った。 (4)デリバティブ取引の実験科学的アプローチによる研究の一層の高度化を推進した。 (5)カーネギー・メロン大学、上海・復旦大学、シンガポール・シンガポール国立大学及びオーストラリア・マッコリー大学におけるFAST教育の実情を調査し、国際的なFAST教育の基盤整備を行った。 平成12年度は、サイバートレーディングの高速性とトラフィックの独立性を得るために平成11年度に敷設した100Mイーサーネットの敷設と大学ネットワークとは切り離したネットワークにより、カーネギー・メロン大学との間で安定したFASTプログラムの共同開発が可能となり、そこでの実験をベースに理論知識と仮説検証を行った。具体的には、トレーディング・ケースを通じて、金融機関の実際のトレーディング担当者を中心に仮想金融市場を構築して、金融資産取引を行った。その結果、完備市場を前提にした、国債、割引債を取引対象資産とする環境の中での各自の資産価値を最大化する取引では、理論と取引行動の整合性が確認された。
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