研究課題/領域番号 |
11695026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
南條 宏肇 弘前大学, 理工学部, 教授 (00106840)
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研究分担者 |
松谷 秀哉 弘前大学, 医学部, 助手 (30241483)
市村 雅一 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20232415)
倉又 秀一 弘前大学, 理工学部, 教授 (10215048)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70082831)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 宇宙線 / エネルギースペクトル / 大気球観測 / エマルションチェンバー |
研究概要 |
本研究は、宇宙線のエネルギースペクトルにおける"knee"と呼ばれる折れ曲がりの原因を解明することを目的として、平成7年より年次的に行っており、平成7年から平成11年までに、カムチャッカ半島からボルガ河流域まで160時間程の飛翔時間で計11回気球による観測が行われ、うち10回の観測に成功した。 データ解析については、本科学研究費補助金などにより毎年2-3回、日ロ双方が研究者交流を行い、解析結果のデータの突合せと検討、エネルギー決定法の検討、検出効率の算出などを行った。本研究で得られた主な結果は「1.エネルギースペクトルは我々の観測領域より低いエネルギー側からの延長と矛眉しない。2.同じエネルギー領域の結果を出している日米共同のJACEEグループおよびロシアのSOKOLグループのとの比較においては、プロトンでは矛盾しないが、ヘリウムのフラックスでは、2倍ほどの違いがある。3.ヘリウムより思い重粒子においてフラックスおよびスペクトルの傾きにおいても違いがある。」であり、1999年にはアメリカのユタでおよび、2001年ドイツのミュンヘンで行われた宇宙線国際会議で発表した。特に2001年の宇宙線国際会議では、今までエアーシャワーで得られた全粒子スペクトルが我々の結果と比較して高いものであったが、初めて多くのエアーシャワーグループから我々の値に近い結果が報告されたこと、および直接観測でしかデータが得られないエネルギー領域の観測デーは、この我々のものしか提出されなかったことなどから、我々の結果についてはラポーターからも高い評価が得られた。 1996年までの結果は論文にまとめ、平成12年8月に第22回ISTSのProceedings Vol.2 p1831-1836(レフェリー付)および9月にAstor Particle Physics (Astro-P Phys.No.16,2001,p13-46)に掲載された。1999年の観測データについては、現在解析中である。1999年分は4回分の観測量であるので最終結果を出すまでには、あと1年から2年ほどかかると考えている。
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