研究課題/領域番号 |
11695027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮田 等 新潟大学, 理学部, 助教授 (80192368)
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研究分担者 |
白井 みゆき 新居浜工業高等専門学校, 電子制御工学部, 助手 (10311101)
宮野 和政 新潟大学, 理学部, 教授 (10011529)
田村 詔生 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00025462)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 放射線検出器 / 高子半導体 / 電解重合 / 半導体センサー |
研究概要 |
本研究では、半導体放射線検出器のセンサーとして、新たに導電性高分子を考え、これを用いた放射線検出器の開発を行った。ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子について、これらを用いた放射線検出器を試作し、これにレーザー光等を照射し、出力信号を測定して、波高、S/N比、時間分解能等の性能測定を行うことを目的とした。 1.導電性高分子の導電率が半導体領域になっていることを確認するために、電解重合によって作られたポリピロール、ポリチオフェン膜やポリアニリンのNMP溶液をキャスティングすることで作ったポリアニリン膜に電極を取り付けて、その電圧・電流特性を測り導電率を求めた。導電率が10^<-5>〜10^<-9>S/cmという値のセンサーを作ることができた。 2.センサーの導電率の最適化やセンサー構造の改良等を行った。レーザー光に対する出力信号の観測から、単一半導体に電極を付けたセンサーの場合には、ポリチオフェンで導電率が10^<-5>S/cm位、ポリアニリンで10^<-9>S/cm位のものが、最も信号のS/N比が良いことが分かった。 3.有機半導体センサーに増幅器をつなぐとともにパイアス電圧をかけて、各種の強度、波長のレーザー光を照射した。このときレーザー光によって発生するキャリヤー電荷の出力信号をADC、FADCとPCを用いたオンライン・データ取得システムによって測定した。得られたデータを解析して、波高、S/N比、応答時間(時間分解能)などの量のバイアス電圧依存性を求めた。ポリチオフェンセンサーでパイアス電圧を半導体膜の面方向に印加し、電極間隔が5mmの場合には、パイアス竃電圧が300V以上で波高、S/N比にプラトーが現れた。ポリアニリンセンサーでパイアス電圧を膜の厚さ方向に印加し、電極間隔が数10μmの場合には、バイアス電圧が300v位まで波高、S/N比に明確なプラトーは現れなかった。また、半導体センサーの応答時間は、ポリチオフェンで約10μs、ポリアニリンで100ns以下であった。総合的な判断で現在の所、放射線検出器のセンサーとして最も適していると思えるのは、ポリチオフェンやポリアニリンである。
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