研究課題
今年度はまずロシアのBINP研究所からTeryaev氏を招聘し、将来のリニア-コライダー線形加速器の高周波大電力源となるXバンドPPM(周期型永久磁石収束)クライストロンの設計を共同で行った。この結果は今年度製作されたPPMクライストロンに反映されており、平成13年4月から大電力試験を行う予定である。また、来年度浦項加速器研究所で行う予定の高速イオン・ビーム不安定性実験のための打ち合わせを浦項で行った。この会合では実験に必要な個別バンチ位置検出器や広帯域ビームフィードバック装置のの開発状況の確認や、昨年度提示された大電流運転に伴う他のビーム不安定性や発熱問題のコントロール方法の開発などについて主に議論された。また、現在までに達成されたリニア-コライダー線形加速器の開発成果の発表をEPAC00(ヨーロッパ加速器国際会議2000、ウィーン、オーストリア)とLCWS2000(リニア-コライダーワークショップ2000、シカゴ、アメリカ合衆国)の国際会議に於て行った。同時に、世界各国でのリニア-コライダー線形加速器の開発状況についての調査を行った。高エネルギー加速器研究機構に於けるリニア-コライダー線形加速器の開発状況はこれらの会議で発表された論文にまとめられ、今後出版される論文集に掲載される予定である。