研究課題
今年度はまずロシアのBINP研究所からChachurin氏を招聰し、将来のリニアーコライダー線形加速器の高周波加速管における高周波破壊のシュミレーションを共同で行った。これは今までに製作された加速管の大半が長時間の運転の結果、内部が高周波破壊を起し性能の著しい低下が観測されたために、その現象の解明をシュミレーションによって明らかしようという目的から出発した。その結果、実験結果を説明できるモデルを作ることができることがわかり、逆にシュミレーションからどういった加速管において高周波破壊が起こりにくいかがある程度予想できるようになった。その結果は今年度製作された高周波加速管に反映されており、また平成14年2月にアメリカ合衆国のスタンフォード線形加速器研究所で開催されたリニアーコライダーワークショップ2002においてシュミレーション結果が発表された。また、現在までに達成されたリニアーコライダー線形加速器の開発成果の発表をPAC2001(加速器国際会議2001、シカゴ、米国)とAPAC2001(アジア加速器国際会議2001、北京、中国)の国際会議に於て行った。同時に、世界各国でのリニアーコライダー線形加速器の開発状況についての調査を行った。高エネルギー加速器研究機構に於けるリニアーコライダー線形加速器の開発状況はこれらの会議で発表された論文にまとめられ、今後出版される論文集に掲載される予定である。
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