本研究は、橋梁システムの耐震設計法について、合理的な手法の開発を目的とするものである。特に、超長大橋を計画する場合や、狭い都市空間での新たな社会基盤づくりのために、耐荷力、合成および変形性能に優れた構造様式を開発・提案するものである。 本年度は、鉄筋コンクリート充填鋼管構造に関する実験を実施し、その解析を行っている。3種類の配筋による鉄筋コンクリート充填鋼管試験体のほか、無筋コンクリート試験体、鉄筋コンクリート試験体、および鋼管のみ試験体を作成し、圧縮および曲げ試験を実施した。その結果、次のような知見を得た。 1.荷力については、鋼管のみと鉄筋コンクリートのみの耐荷力の単純累加耐荷力より、数十%高い数値が得られ、合成効果が確認された。 2.形性能については、鋼管のみあるいは鉄筋コンクリートのみ試験体に比べて、優れた性能を発揮した。 3.剛性についても高い評価が得られた。 このような実験内容と実験結果について、本学の提携大学である瀋陽工業大学(中国)と下記の研究打ち合わせ・交流を行った。 1.平成11年7月12日から18日:白秉三副教授と、魏華助手が来日し、本学の実験状況・経過を示し、中国における実験計画を打ち合わせた。 2.平成11年20日から12月24日:長谷川明教授が中国を訪問し、中国での実験状況。経過について説明を受け、今後の活動を打ち合わせた。
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