研究課題/領域番号 |
11695071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
板橋 久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00280991)
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研究分担者 |
神田 修平 東京農工大学, 農学部, 助手 (20015118)
渡辺 元 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90158626)
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 教授 (60092491)
WU Y. M. 浙江大学, 動物科学学院, 助教授
LIU J. X. 浙江大学, 動物科学学院, 教授
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | ルーメン / メタン / ウシ / 繊維消化 / ユッカ抽出物 / アンモニア処理 / プロジェステロン / 卵胞嚢腫 |
研究概要 |
(1)メタン生成の抑制では、今年度は、ユッカ(Yucca schidigera, YS)抽出物とアリルイソチオシアネート(AI)-サイクロデキストリン(CD)の飼料添加がルーメン発酵とメタン生成に及ぼす影響を検討した。はじめに、試験管内培養実験により、メタン抑制効果を検討した。プロトゾア数はYS抽出物添加により減少したが、AI-CD添加では変化しなかった。いずれの化合物の添加でも、揮発性脂肪酸(VFA)の中で酢酸の比率は低下し、プロピオン酸の比率は増加し、メタン生成量は20-80%低下した。添加量が多い場合には、いずれの化合物の場合にも繊維の消化の低下傾向が認められた。 次に、牛からのメタン放出に及ぼすYS抽出物の影響を調べた。乾草+濃厚飼料(1.5:1)を給与し、YS抽出物を0.5%添加した場合には、メタン抑制効果は少なかったが、1%添加により、約20%の抑制効果が認められた。プロトゾア数は低下し、アンモニア濃度も低下した。VFA組成は培養実験と同様な傾向が認められた。 以上より、YS抽出物は、プロトゾアを抑制することにより、メタン菌数を低下させ、その結果、メタン生成が減少すると考えられた。YS抽出物は臭気抑制剤として実用化されているので、これによるメタン抑制が実際に可能になると考えられる。 繊維の消化促進では、イネワラの煮沸処理、アンモニア処理が有効であることを明らかにした。また、中国産のベッチ類を飼料に添加すると、ルーメン発酵と繊維の消化促進に効果があることが明らかとなった。 (2)これらの添加物が牛の繁殖機能に影響を及ぼすか否かについて、卵胞嚢脳に焦点をしぼり検討した。プロジェステロンの徐放剤を牛の膣内に投与することにより、卵胞嚢腫の治癒効果を検討した。その結果、徐放剤の投与により、卵胞嚢腫は急激に減少し、規則的な排卵が回復することを明らかにした。このプロジェステロンの効果は、LH分泌抑制作用により卵胞嚢腫に変性を勇気することによると考えられた。
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